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絶賛墜落中の空中遊園地

大地とキスするまでに遊び倒せ

戦略の多様性とリプレイ性を兼ね備えたStrategyの傑作、Civilization IV

ゲームレビュー Strategy

Civ4 の話をしようと思ったが必要ないな。どこのご家庭にでもある傑作Strategy、今更語ることなど…… えっ? なに? 知らない? それどころか持ってない??

 

よぅしわかった、話をしようじゃないか。

あれは6000年前の話だ。

紀元前4000年にシド星へとたどり着いた開拓者と戦士の1団。彼らを率いる指導者のあなたは、己の文明をこの大地で最も優れた文明へと導くために睡眠時間を削る宿命を受けた……

 

 

 

Civilization IV はシヴィライゼーションシリーズの4作目、ファンの間での相性は略称のCiv4。ジャンルはStrategy、日本語なら戦略ゲーム、あるいは戦術シミュレーションなどと言われる部類のゲームだ。

ジャンル名を聴いてピンと来ない人のために同ジャンルの有名かつ優れたゲームを挙げてみよう。例えば将棋や囲碁、チェス。他にはカタンや…… ともあれ、例から分かる通りボードゲームをコンピューターゲームに移植したようなジャンルで、互いに親和性は高い。(Civ4 も最近ボードゲーム版出たし)

 

 

Civ4 がどんなゲームかというと「シッチャカメッチャカ歴史ゲー」だ。

確かに歴史物のStrategy だし、ファンタジー要素とかがあるわけでもないまっとうなリアル設定のゲームだ。しかし、シッチャカメッチャカだ。

あなたがインドでゲームを始めたとする。指導者はガンジーを選んだ。こうしてガンジーことあなたは紀元前4000年という太古の時代から、文明を0から発展させていく事になる。

一ターンごとにあなたが積み重ねていく決断の分だけ、あなたが指導するインドの姿は変わっていく。ピラミッドを作る。キリスト教を創始してニューデリーがキリスト教の聖都になる。世界で最初に火薬と鋼鉄技術を発明して世界に初めて大砲を生み出す。生み出された大量の大砲に由来する軍事力を背景にどんどん隣国を併合し世界で一番巨大な大国となる。国連を設立し名実ともに世界の最大権力者となる……

 

インドの話だぜ? ピラミッドがあるし軍事力に優れた超大国だけど、インドの話。

 

Civ4 はプレイごとにゲームワールド(シド星)の地形も、文明ごとの情勢も、辿る歴史も、ちぐはぐになる。元となった地球の歴史を踏襲することはまず無い。地球の歴史をパーツとして用いて、再構成されたゲームだが、決して歴史をなぞるためのゲームではない。Civ4 で世界史を学ぼうなんてのは無理だ。あなたが指導する国の辿る歴史はあなた次第。どんな技術を生み出し、どんな社会体制を敷き、どんな宗教を信仰し、国土をどのように活用するか。あなたの判断で、あなたの指導する文明は、様々な歴史をたどるだろう。

 

 

ゲームごとにランダム生成された地形の上にランダム配置されたスタート地点から、開拓者と護衛の戦士が手元にいるだけの殆どゼロの状態でゲームは始まる。あなたが今回降り立ったシド星の地形は探索するまでまったくわからない。豊穣で恵まれた土地かもしれないし、不毛の大地かもしれない。すぐ近くに他の文明が存在する火薬庫かも知れないし、周りにはライバルとなる文明が一切いないのどかな土地かもしれない。

プレイごとにまったく違うゲームをプレイしているかのごとく、あなたの体験は様変わりする。違う星の、違う歴史を、毎回あなたは目撃する。更に細かく設定されている地形の生成条件、それを切り替えていけばさらにあなたが遭遇する状況は変わるだろう。シド星に一つの大陸しか無いパンゲアと、複数の大陸がある大陸マップでは、それだけでプレイイングがガラリと変わる。

その上難易度が細かく分かれている。最高難易度天帝は Civ4 が発売された当初は攻略不可能の難易度と思われていたくらい難しいし、攻略が進んだ現在でも自力で攻略しようとするなら相当の歯ごたえを感じるだろう。

1度や10度くらいプレイした程度で飽きるなんてありえない。100回でも1000回でも遊べる。

極めて高いリプレイ性を誇るゲーム、それがCiv4だ。

 

 

 

リプレイ性以外にももう一つ、特筆すべき長所がある。

戦略の多様性。

これこそが Civ4 の面白さの根源であり、今も一切曇ることのないこのゲームの価値だ。

 

 

 

 

Civ4 はゲームクリアとなるための条件が複数ある。

戦争で世界の大半を手中に収める。地上から自文明以外を滅ぼす。文化的な活動を盛んにし世界有数の文化的な都市を自国に生み出す。宗教会議や国連で大半の支持を集める。世界最初の惑星開拓ロケットを飛ばす。

どの勝利条件を目指すかであなたが構築すべき文明の形は変わる。

さらに、勝利するまでの攻略方法があまたのごとく存在する。1つ2つの攻略法を覚えればそれで済むようなヌルい Strategy もどきの事は忘れていい。

攻略情報などプレイヤー間でネットを通して広まってしまう現代においてなお、勝利のための安定した攻略方法など存在しないゲームだ。もちろん定石はある。ゲームの仕様の隙を突くような手法も存在する。

それでもなお、ゲームクリアまでの手筋が固定されてしまいなんどプレイしても似たようなことを繰り返すのみになる世の中の大半を占めるつまらないゲームとは比較にならない多様な攻略方法が存在する。

勝てるようになるまで、でそれだけ楽しめるのだ。その上で、勝てるようになった後には勝ち方にこだわって更に楽しめる。あなたが築きあげる文明の形は無数に存在し、可能性は未だ探りきられていない。

最高難易度:天帝を安定してクリアできるようになってもひたすらプレイを繰り返すファンが多数いるのも納得のゲームだ。

 

 

 

 

リプレイ性と戦略の多様性。

Civ4 のそれは根幹のゲームシステムに由来するのだろう。

Civ4 は土地が根源的なリソースであり、その土地をどうやって確保し、どうやって運営し、より高い出力を出すか、が高難易度のプレイでは問われる。ゲームの全てがその原則に則ってデザインされていて、あらゆる要素がその方向性で噛み合っている。

ゲームの土台が一つのロジックによってきっちりと組み上げられている。

それ故に、Civ4 は結果が論理的帰結となってプレイヤーに返ってくる。あなたの判断ミスには失敗たる論理的な説明がつく。Civ4を支えているルール、時には現実的であり時にはちょっとゲーム的過ぎるそれをあなたがプレイするごとに理解すれば、ちゃんと Civ4 は応えてくれる。

小手先とその場しのぎでパッチワークされたような凡作ではない。

挑戦するに値する品質の傑作 Strategy だ。

 

 

 

さらにゲームとしての要素、デザインでなくファッションの部分に地球の歴史を分析した結果を当てはめてるのが面白い。

太古の時代において馬や金属がどれだけ武力に影響したか?

社会体制が与える影響は如何程のものか?

技術や社会体制、その取捨選択でありえなかった形の国家を形作ってみる楽しみ。

あらゆる条件がランダムで、すべての選択肢は平等で。しかし得意なことがちょっと違う。そんな文明の卵が世界にばら撒かれた時、それからどのように発展していくのか? ちょっとしたIFシミュレーターめいている。

完全なフィクションではなく、しかし史実でもない。この絶妙さが結果として想像力を掻き立て、ゲームに説得力を与えている。

 

 

 

Civ4 は確かにとっつきづらく、割と難しめで、カジュアルなゲームとはいえない。 

だが、歴史に興味があってもなくても楽しめ、一度コツをつかむと病みつきになり、挑戦している条件での安定した勝利を模索し、勝てるようになれば難易度を上げてさらに続けてしまう。そんな麻薬のような中毒性を持つ魔性のゲームだ。

それをプレイしないなんてとんでもない。

さぁ、今すぐ購入してプレイしよう。

最高難易度の天帝がヌルゲーになるその日まで、あなたは永遠にシド星をさまようことになるでしょう!