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Lil’ Night Trainが想定以上にイケてる

Lil’Night Trainというギターアンプをご存知だろうか? VOXから出ているチューブアンプだ。

このLil’Night Train、チューブアンプのくせに音が小さい。普通の日本の家で夜に鳴らすことが可能。つまり、家で日常的に使うことができる。

普通のチューブアンプはスタジオに持ち込まないと使えず、普段は置物になってしまうことも多いだろうが、こいつは練習に常用できるわけだ。

そんなLil’Night Trainを買ってみたら存外イケてたので、少し語ろう。

どんなアンプ?

スペックをさらっというと2Wのフルチューブアンプ。

サイズも小さい(ティッシュ箱サイズ)。

小型・低出力だがスタックアンプで、キャビネットは別だ。ただ、専用の小さいキャビネットも売っていて、セット販売されてることが多い。家にキャビネットがないならそのセットをとりあえず買えば良い。

コントロールはゲインとボリュームにイコライザーがTRREBLEとBASS、それとチャンネル切り替え。

チャンネルはBRIGHTとTHICKの2chで、THICKはイコライザーをスルーするモード。ゲインとボリュームは共通。

イコライザーはフルテンがフラットよりで、絞るとなんか大雑把にいい感じの変化がある。あんまシビアじゃないけど、だからかえって使いでがあるかなぁと。とにかく、効く。

THICKに切り替えてイコライザーをスルーすると、もちろんイコライザーは効かなくなる。THICKだと同じゲインとボリュームだと実際の音量は上がるので少しボリュームは落とした方がいい。

歪はゲインで調整して、ボリュームで音量を決める。ここがきちんとしてて、歪を決めたら音量は別に決めれる。当たり前? いや、自分が昔持ってたおもちゃみたいなソリッドアンプはボリューム上げるとクリーンに戻っちゃって(以下略)

で、音量はかなり絞れて、THICKの歪(BRIGHTより深く歪む)でもボリュームをギリギリまで絞れば真夜中に普通の木造住宅で鳴らすことができる。逆に最大音量は、結構でっかい。音量をフルテンってのは普通のご家庭じゃ昼間でも躊躇すると思う。自分にはできない。

出音について

出音は言葉で説明してもいいだろうけど、よくわからないだろうし動画を上げてる方が何人もいらっしゃるんでそちらを引用しておく。


VOX Lil' NIGHT TRAIN テスト演奏 - YouTube


VOX Lil'Night Train SOUND チェックしてみた - YouTube


Vox Lil´ Night Train: Clean - YouTube


Vox Lil Night Train Demo - YouTube
↑でっかいキャビに変えてからの出音がいいの、やっぱり気になる。
余談だけど、この二人の楽器レビュー見てて楽しいので他もみると楽しいよ。

この辺を聞いてみて出音の傾向はつかめるだろうか? 自分は通販で買ったので試奏なしだったが、動画と実際の印象は特に乖離しなかった。とゆーか、部屋鳴りやらの録音時のあれこれを考慮して動画での出音は下方修正してたので、実際は想像より良く感じた。

ともあれ、歪はトーンをスルーするTHICKの方でもオーバードライブって感じで、メタル行きますか、みたいなディストーションではない。

ただ結構つぶの細かい感じの歪でいい感じだ。こんなに滑らかに歪むとは思ってなかった。期待以上。

クリーンの方もそこそこ色が乗っててそう悪くない。安物の練習用ソリッドアンプ辺りを想像してるならたまげる程度には良い感じ。

ともあれ、フルチューブってことで期待する真空管的なクリーミーな歪と温かみのあるクリーン、どちらもある程度は応えてくれる。

ただまぁ、個人的にはクリーンはもう一声かな。ちょっとちゃきちゃきに感じる。キャビネットが小さいのがダメなのかな? んー。

実際に使ってみて

実物を迎え入れて、一番良かったのは気楽に練習できること。とくに身構えなくてもひょいとギター掴んでアンプの電源入れちゃえばとにかく音が出る。

アンプシミュレーターのたぐいはちゃんとあるんだけど、ギター掴んでそのまま生音でペチペチしてることって結構多かった。ちょろっと運指練習しようか、みたいな時は特に。

心理的なハードルが低いのか、ちゃんと弾くときにアンプ通すことが増えたのでその点だけ見ても良い。

ちなみに、ヘッドフォンアウト兼ラインアウトもついてて、そこにはキャビネットシミュレーターがかかるらしい。らしいというのは、全く期待していないのと、そもそもアンプから音を出すために買った夜中でも鳴らせる音量に絞れるアンプだからということで、一度足りとも使ってないから。

アナログ回路でのキャビネットシミュ、期待する要素ないものね。

あ、もしDAWとかで使うやつ探してるなら今だとインパルス応答の畳み込みの奴いいよ。フリーでもあった気がする。

練習は実アンプ使ったほうがいいね、やっぱり

やはり練習は実アンプでやるべきだなぁ、と感じる。

アンプシミュレーターってどうしてもいい感じに聞かせることに集中してて、自分みたいなのが適当に鳴らしてもそこそこいい音がしてしまう。

でもLil' night trainは実アンプなので、よくも悪くもちゃんと鳴らした感じに音がなる。エフェクトのたぐいがかかってない訳だし、当たり前といえば当たり前。

ただ、こと練習する場合はこの点、とても重要だ。しょぼい音出るように弾けばショボイ音する、ってのは練習する上でとても大事。

特に最近はRocksmithで楽してる事が多いんで、ちゃんと弾かないとまともな音が出ない、って事実を突きつけてもらえるのは、練習する上でとても大きい。

 

さてと。

久しぶりにアンプで練習して楽しんでるのは良いんだけど。こいつをうっかり買ってしまったせいでペダルが欲しくなったのが想定された通りの誤算であった。

まだなにも買ってないけど、ワウ欲しいなぁ。ディストーションも欲しいよね。空間系はどうせDAWでかけるから……あぁでも練習でもやっぱり薄くリバーブはかけたいなぁ(Lil' Night Trainにはついてないけど、競合には付いてるの多いんだよね)……などと言ってるうちに膨れ上がり、ペダルボードを組む羽目にならないよう、気をつけたい。

 

P.S.

もし初めてチューブアンプ使う、って人いたら。

  • 電源のON/OFFやケーブルの抜き差しする前にボリュームを0にする
  • 電源を入れてからしばらく暖気しないと真空管は音が変わる

ってのはお気をつけて。

(取説に書いてなかったんだよねぇ、初心者はこんなもの買わないという感覚なんだろうか?)