絶賛墜落中の空中遊園地

大地とキスするまでに遊び倒せ

非FPSプレイヤーのためのFallout4戦闘指南

または別名非FPSerのためのシングルFPSプレイ講座基礎編。

どうでもいい前フリ

Fallout4を初めてプレイした11月10日に私が感じたのは「あれ? Bethesdaのくせに戦闘がマトモだぞ」ということであった。過去作では全ての面で戦闘がおかしくリアルタイム操作のゲームとして成立していなかったのだが、Fallout4ではそこがマトモになっていた。極めてよくできている、とか、他に比肩するもののない面白さ、とかいった評価とは隔絶した距離を持つのが悲しいが、過去作から比べると大躍進だ。

さて。

Fallout4をプレイして戦闘が難しい、敵が強い、といったことを感じてる人はどのくらい居るのだろうか。たぶん、普段FPSなんて全くやらない人に多いと予測している。

詳しい定義*1をしてもおもしろくないだろうから端的に指摘するが、Fallout3とFallout: New VegasはRPG*2だった。FPSではなかった。

しかし、Fallout4はFPS*3である。

この違いは、FPSをやらない人にとって、Falloutシリーズの新作をやるぞという人にとって、Bethesdaのゲームだけはやるぞという人にとって、問題だ。

というか過去作が全部RPGだったのに連番タイトルの新作が説明なく別ジャンルになったら普通は暴動が起こる*4

しかしそこが障害になったくらいで諦められるほどFallout4はつまらないゲームじゃない。むしろ、死ぬほど面白い。プレイ時間が300時間超えてるぞ。

 

といった前ふりを踏まえて、非FPSer向けにフォールアウト4の戦闘講座を始めていく。

本文

このエントリを読むと以下の症状が改善されるといいなぁと思っている。

  • すぐ死ぬ! HPがいくらあっても足りる気がしない。スチムパックが足りない!
  • 弾がない! 全然足りない! いくら撃っても敵が死なない!
  • グール怖い、犬怖い、ヤオグアイ怖い、以下特定の敵をあげて強すぎる倒せない云々

では個々の事例に処方箋をば。

すぐ死ぬ! HPがいくらあっても足りる気がしない。スチムパックが足りない!

RPGにおいて敵の攻撃とはHPと防御力を稼いで耐えるのが基本的な方針である。回避とかそのゲーム固有の妨害手段でなにもさせない、しても無意味にする、といった手筋もまたよくあるものだが、基本はパラメータを稼ぐことだろう。RPGプレイヤーほどステータスのパラメータに気を配るゲーマーもいない。

だがFPSにかぎらず、リアルタイム操作のゲームでは。

敵の攻撃とは「プレイヤーの操作技術で無効化するもの」である。食らってはいけない。回避なり防御なり撃ち落とすなりそのゲームで実装されている方法で対処しなければならない。プレイヤーの操作で、対処するのだ。

ということでFallout4ですぐ死ぬって人は敵の攻撃を受けてるから死んでいる、そしてそれは本来避けねばならない状態である、という認識をまずもって欲しい。

FPSの基本1:射線を切る

FPSの基本中の基本は「敵の射線を切る」ことだ。

よーするに、敵の攻撃が当たるのは、敵からあなたが見えていて銃撃があてられる状態にあるからだ、ということ。だからまずは敵から見てあなたが見えない状態になるよう常に考えねばならない。

といってもそう難しいことじゃない。遮蔽物に身を隠せばいいのだ。そうしたら敵が見えない? 見えないから撃たれないのだ。まずは意識して敵から隠れることを覚えなければゲームにならない。それを、身につけよう。

  1. 敵に撃たれたらとにかく下がる
  2. 次に壁になりそうなものにピッタリくっつく
  3. それから一息つく

この手順を徹底して欲しい。

Fallout4の敵キャラを動かしてるAIは頭が悪いのでしっかり射線を切るだけで死にづらくなる。

FPSの基本2:発砲する前にまずは索敵

敵がいた! と慌てて発砲していないだろうか。先に言っておくが、そうして無駄弾をばらまくから弾丸が枯渇するのだ。落ち着こう。FPSにかぎらずリアルタイム操作のゲームすべての基本的な心構えだ。

さて。

あなたが敵から隠れられる様になってきたら、次に考えることは敵がどこから撃ってきたのか把握することだ。敵はどこにいて、何人いて、どんな装備を持っていて、どういう動きをしている? これに答えられない状態で闇雲に発砲するのは愚の骨頂だ。

敵を知り己を知れば百戦危うからずと孫氏も言っていた。原理原則は古代でも現代でもゲームの中でも変わらない。

といっても索敵は難しい。言語化しづらい感覚的なプレイイングテクニックがいっぱいある。

しかし大丈夫、Fallout4なら索敵は全てV.A.T.S.に頼れば良い。とにかく敵がいそうなところはQを連打する癖をつければいい。V.A.T.S.が反応したら敵がいるとわかるし、どこにいるかもわかる。スローモーションの世界になるので落ち着いて敵の位置や装備をチェックできるだろう。

たとえV.A.T.S.で射撃するつもりのないタイミングでもとにかくまずはQを押してV.A.T.S.に入る。体に覚え込まそう。

この手法はFo3の頃からV.A.T.S.索敵と呼んで積極的に活用していたのだが、意外と世間で浸透していないようなので太字にしておいた。だいぶ弱体化したFallout4のV.A.T.S.であるが、このV.A.T.S.索敵に関しては一切弱体化が入ってないので積極的に活用して欲しい。

RPG的な対策:きちんと防御のパラメータを稼ごう

ところですぐ死ぬ、という人はちゃんとアーマーを強化して装備しているのだろうか? 今作、服と防具という区分けで装備があるが、服と防具の複合装備扱いで服っぽいのに防具がつけられないモノもいっぱいある。その上そういうのに限って防御力はただの服と大差なかったり。

うっかりそんなのを着てる人はきちんと防具をつけるところから始めよう。その防具もSTR3のパークできちんと強化していくと難易度ノーマルではそうそう死ぬことはなくなるはずである。

最初に与えられるボルトジャンプスーツ一着の布切れで戦ってすぐ死ぬなんていう人はRPGプレイヤーにはいないと思うが*5一応、指摘しておく。

あと、ほんとにきつい戦いの時は躊躇せずパワーアーマーを使おう。フュージョンコアをもったいないと言ってエリクサー症候群に陥るのは良く分かるのだが、使えるものは全部使うのが基本だ。

どーせフュージョンコアもすぐ余るし、無くて困っても店売りで買える程度のものだ。貴重品ではない、少なくともエリクサーよりは。

弾がない! 全然足りない! いくら撃っても敵が死なない!

FPSの基本3:AIMは自分のペースで落ち着いてしっかり狙う

先に言うが、Fallout4は難易度サバイバル(最高難易度)でも「弾は過剰に供給されるゲーム」である。手に入る弾薬が全部敵に命中してるなら余る。弾薬が足りないからしんどいみたいなバランスにはなっていない。弾薬の重量0だから持ち出しそこねると言った概念もないし。

ので、弾が足りないって人はその分無駄弾を撃っている。

特にフルオート(バババババってトリガーを引きっぱなしならその間ずっと弾が出る銃)を使ってる人で弾が足りないと言っているならその可能性が高い。

とは言えこの部分、AIM力の格差と言うのはFPSFPSたらしめる要素なので。百発百中を維持して弾丸を節約なんて真似はFPSやらない人に求めることではないのも重々承知している。

のでRPG的な解決策をとろう。

RPG的な対策:装備してる銃器の弾丸だけじゃなく、使えるものは全部使う
  • V.A.T.S.を使う
  • 弾丸が必要ない近接攻撃を交えて戦う
  • 武器を持ち替えて使用弾薬を散らす
  • グレネードや地雷を積極的に活用する
  • 薬物を使用する

銃撃だけで足りないなら他の手段を交えよう。

過去作だとV.A.T.S.の命中がとても高かったのでなにも考えずにV.A.T.S.を使えば良かったが、今作では密着くらい近づかないとV.A.T.S.の命中は当てにならない。V.A.T.S.も闇雲に使わずピンポイントで使うことが求められる。

近接攻撃も今作は強いので弾が足りないならいっそ殴るのも手。STRが低くてダメージでないならパワーアーマーを着て殴りかかろう(STRが勝手に11になる)。

複数の銃器を持ち歩いて使える弾薬の種類を増やすのも手。ピストルタイプの軽い銃を常用すると複数持つのも十分現実的な選択肢になる(20以上ある重量の銃を複数は辛いが……)。

グレネードや地雷も強力。数は限られるが重いので適切に使ったほうが重量が楽になる。複数の敵を巻き込めるときや強敵に叩き込める時は積極的に使おう。殴りキー長押しという妙な操作は慣れれば割りと思い通りにできるようになる。

ちなみに地雷は先に仕掛けておくことで、突進してくる敵を安全に殺すことが可能。ヤオグアイやデスクローなんかは地雷さえあれば一発撃って釣るだけで終わる。

薬物も辛いなら積極的に使うべきだ。最大HPを増やしたりダメージ耐性を増やしたり攻撃力を増やしたりスローモーション世界で一方的に攻撃したりできる。特に最後のスローモーション効果(Jet系)はAIMが上手くできない人にとってはとても力強い効果のはず。

RPGプレイヤーらしく頭を使おう。落ち着いて、あなたの得意分野で敵を殺すのだ。

敵種別ごとの対策の具体例

対ブロートフライ

序盤で即会えるくらいどこにでも居るくせに、今作屈指の強敵であるという初見殺し。HPの低い個体しかいないうちはそうでもないかもしれないが、強化個体は火力が高くそこそこのHPですぐ殺せないので厳しい。

こいつの火力が異常に高いのは毒というこちらにレジ手段が殆ど無い攻撃属性を使ってくるため。その上空飛ぶ小型敵ということでAIMがしっかりしてないと撃ち落とせない。

基本的にはちょっかいを掛けない。戦っても強い割に旨味は皆無という状況がほとんどだろう。

どうしても戦わないとならない時はショットガン辺りを持ち出し、敵に近づいてからV.A.T.S.で素早く倒そう。必要なら薬物もためらわず一気に殺そう。

さもなくばあなたが毒で死ぬだけだ。

対フェラルグール

今作のフェラルグールは

  • 猛スピードで突進してくる
  • 数が多い
  • 動き出すまで死体にしか見えない、そもそも見えないところにいる
  • 殴りのダメージが結構高い、Radダメージも痛い

と強敵である。素早く頭を撃ち抜けば意外と脆いので怖くなくなるのだが、それができない人のためのエントリだこれは。

フェラルグールは手足が脆い。よって手を潰して攻撃手段を無くすか、足を潰して動けなくするのが基本的な対抗手段だ。爆発物を併用すると楽にまとめて手足を潰せる

とにかく足を狙おう、それだけで余裕が持てるようになるはずだ。

対スーパーミュータントスーサイダー

タッチダウンを一度は食らってこそ一人前のコモンウェルス探索者である。

ということで今作屈指の初見殺しであるスーパーミュータントスーサイダー。最初は皆面食らったことだろう。

こいつの対策は手に持つラグビーボール的なアレを撃ちぬくのが楽*6なのだが、そのAIM力がない人のためのエントリだこれは。

オススメは爆発物で着火して吹き飛ばすこと。フラググレネードを転がしてもいいし、地雷を置いて逃げてもいい。

この手のバカはまじめに相手すると大変だ。手玉に取ろう。

対スーパーミュータント

筋肉ダルマの防御力バカのスーパーミュータントは基本的に頭を撃って倒す。しかしそれができない人のためのエントリだこれは。

胴体を豆鉄砲で撃ってもきりがないので爆発物を躊躇なく使って良い相手。ミサイルやヌカランチャーも場合によっては準備しよう。

銃器をしっかり強化して相手の防御力を抜ける火力が出てくると胴体撃ちでも十分殺せるので、そこまで育てば強敵ではなくなる。

ベヒモス

でかい!

ということでスーパーミュータント系の最強個体であるベヒモス。タフなので火力がない状態で出会ったら逃げ一択である。

どうしても倒すならヌカランチャーを抜くのを躊躇すべきではない。

岩投げは左右に動くことでかわせる。

対マイアルラーク

過去作でミルレークという謎の訳語だったカニ

例によって甲羅が硬いので的確にヘッドショットしないと弾がいくらあっても足りない。

頭が狙えない人は爆発物をしっかり使おう。しかしそれでもタフだから大変。

ちなみに地面に埋まっていてもV.A.T.S.は反応するので索敵をしっかりしてれば不意打ちは防げるはず。

対マイアルラーククイーン

でかい!

初見でこいつを見るのはどこになるかね、やはりキャッスルだろうか。

毒の遠距離攻撃という対プレイヤー最終兵器みたいな攻撃をしてくるためパワーアーマーだろうが無力であり、敵の攻撃を喰らわない立ち回りができないと瞬殺される強敵。

個人的にはヌカランチャーを躊躇なく使うべき敵と考える。

よほどの火力がないとヘッドショットしてもなかなかHPを削れないので、どちらにしろ爆発物を躊躇せず使うハメになるはずだ。

対マイアルラークキング

みえない。

こいつが出てくる頃にはこいつを殺せない火力ってことはないと思うのだが、V.A.T.S.で策敵してても引っかからないので注意。

今作はこいつにかぎらずV.A.T.S.でも見えない敵が割といるので注意。

対ラッドスコーピオ

地面に潜って至近距離に飛び出してくるので近接型の敵では屈指の強敵。しかも攻撃が毒属性。

基本的にヘッドショットできないなら手を出さない。倒さないといけない場所にこいつがいることはないはず。

対ヤオグアイ

地雷原をおいてから一発撃って釣って地雷を踏ませる。

ヘッドショットできるなら割りとあっさり型がつく相手なのだけどね。

対デスクロー

地雷原をおいてから一発撃って釣って地雷を踏ませる。

が、可能な限り撃ちまくって削らないと殺しきるのは大変なタフな相手でもある。

基本的に手を出すなと言いたいが、今作はダンジョンやらイベントのスクリプトわきやら出待ちの不意打ちやらで戦わないとならない場面が多数。

HSできないなら対デスクローを想定してそれなりの数のボトルキャップ地雷は常に持ち歩いておきたい。

それでもFPSな戦闘を避けたいあなたのためのビルド

ここまで読んで試して、こんなことすぐできるなら最初から困ってない! とお怒りのあなたへ。

戦闘がヌルゲーになるビルドをここで紹介しておく。初期ステ振りのエントリから持ってきたものだけど、運用方法も添えるので試して欲しい。

ザ・チート級のお手軽最強系、Blitzビルド

AGI9のBlitzというパークをとって近接武器でV.A.T.S.をしてみよう。どう考えても殴り攻撃の間合いではない距離で命中95%とでて発動可能になる。

通称ワープ殴りである。

近接は威力があるけど近づくのが難しいという塩梅だったのに、このパーク一つとるだけで瞬時にワープして距離を詰めて殴れるようになるのでゲームバランスが崩壊する。TES5におけるパワーバッシュでの怯みループはめ殺しに匹敵するプレイヤーチート。

戦闘が辛くてゲームがつまらない、って所まで追い詰められたならぜひ使おう。おそらくこれはそういう人のためにわざと残された救済措置だろうから。

基本的にはAGI9まであげてBlitzを取れば成立するが、近接攻撃を上げるパーク(素手ならSTR1、打撃武器ならSTR2のやつ)と近接武器を強化できるようにするパーク(STR4の)を併用すると戦闘が楽になるを通り越し無双モードに入るくらい強くなる。

個人的にはスーパースレッジにスタンMODをつけるのがオススメ。一撃で仕留められなくてもそのまま振り回してるだけでスタンしてる相手を一方的に殴り殺せる。

戦闘が辛いならオススメ。

戦闘は楽して探索を楽しもう。

どうしても銃が撃ちたいがAIMができない人のためのV.A.T.S.ビルド

今作のV.A.T.S.は命中が下がって前作のような無敵とはいえない存在になったが、それでも頑張って強化すれば前作に近い使用感に持っていける。

必須なのはPER8、9、10のパーク。推奨はLUC4、6、7、8のパーク。

この辺を押さえればV.A.T.S.の命中も威力も十分アテになる水準に伸びるはずだ。

メインクエ絡みの序盤から所属できる組織2つで所属前のクエストにて報酬としてV.A.T.S.コストの低い武器を貰えるのでそれを活用すると連射もできて楽になるはずだ。

*1:個人的定義を一応書いておく。必要条件は撃った弾が狙ったところにちゃんと飛ぶこと(AIMが成立する最低条件)。十分条件はステータス差をAIM力でひっくり返せること。両者を満たすゲームがFPSである。

*2:銃器関係のスキルと銃器のコンディションを稼がないとそもそも狙った通りに弾が飛ばないゲームだった

*3:AIMが成立しているし、ステータス差をAIM力でねじ伏せることがちゃんと可能である(それが面白いかは別として)

*4:いかにBethesdaが戦闘部分に興味が無いかわかる節操の無さである。まぁ面白ければなんだっていいし、Bethesdaのゲームの面白さの根幹は戦闘じゃなくて探索にあるのでいいんだけどさ

*5:むしろその辺を面倒がるFPSプレイヤーがやってそうというかやった

*6:火力が足りてるならヘッドショットが一番楽かつおいしいドロップ的に