絶賛墜落中の空中遊園地

大地とキスするまでに遊び倒せ

こんなアトリエがやりたい(妄想)

アーランドシリーズと黄昏シリーズの6本*1を全てやり尽くした上で、こんなアトリエがやりたいという希望を書き出してみる。

次のシリーズがキャラゲーや戦闘重視に傾倒してありきたりなJRPGに成り下がらないように祈るのが目的だ。

最大の要望:調合で全ての問題を解決するゲームであること

絶対に外してはいけない部分。

6本プレイして思うのは、「調合が面白い」と言うのがアトリエの面白さの全てであったってこと。ゲーム内の課題を解決するためには既に過剰な性能のアイテムを生み出すためひたすら採取と調合に明け暮れるあの時間こそが至福だった。

 

特に面白かったのが、メルルのアトリエ。あの、錬金術で街を発展させるというコンセプトは非常に愉快だった。

プレイヤーが開拓に必要な物資を生産して届けると国が発展していく。それによって人口が増えると国の中心にある街も規模が大きくなっていく。残念ながらその発展具合、街の方は2Dの絵だけで3Dのフィールドの方では全く変化が感じられず片手落ちだったけれども。あの方向性は正しい。

そう、錬金術に集中し、ゲーム進行そのものが錬金術によってのみ負って立つスタイルが正解なんだ。あらゆる問題を調合で解決すべきである。調合でのみゲームも進行すべきだ。

戦闘も探索も余分なファクターである。錬金術に集中してこそ錬金術士だろう。

重要な希望:戦闘の比重を落とすこと(なくしていいくらい)

ロロナのアトリエからシャリーのアトリエまでの変遷をみると、どうやら調合を追い込む理由づくりに戦闘を選んでいる様子。この方針が、どうも続く気がする。

だが、声を大にして言いたい。それは間違いだ。

世界観的にも、ゲームデザイン的にも、錬金術を戦闘を有利にするための作業に貶めてはダメだ。本質的に、戦闘の準備が面倒くさいただのJRPGに成り下がってしまう。

 

というか、アトリエの戦闘はつまらない。いや、アトリエが悪いんじゃなく、コマンド式のCRPG的戦闘に未来がない、という意味。そんなものはこの30年でやり尽くされている。本質的に火力のぶつけあいによる単なるパワーゲームにしかならない。

シャリーのアトリエで難易度選択制を用意して高難易度での戦闘ってやつをプレイしてみたわけだが。難しい戦闘を作るセンスが全く感じられなかった。パラメーターのインフレだけで難易度が上がると思うなよ。レベルデザインを練り直さないと難易度は変わらんのだ。

 

いっその事、一回も戦闘しないままゲームクリアまで行けるデザインにしてもいいんじゃないかと思う。全く出かけずアトリエにこもって研究三昧でもいいじゃない。出かけるにしても自分は一切戦わない、護衛に完全丸投げのパタンでもいいと思うんだ。

黄昏シリーズになってからは調合してる時間より戦闘してる時間が長かったので、なんのゲームしてるか首を傾げる感覚になっていた。この辺はもう一度コンセプトを考えなおしてはっきりさせて欲しい所。

「楽しい戦闘と探索」ってコンセプトは、世の中に大量に傑作がある方向性だ。調合が武器のアトリエがあえてそっちに行く必然性、ほんとにあるかな?

錬金術をお勉強から研究へ

ところで。

アトリエシリーズをプレイしてていつも思うのが、錬金術の設定とゲームでの実態の乖離。

錬金術は学問であり、錬金術士とは錬金術の発展のために探求を怠らない研究者である」ってな感じの印象をゲーム内で読み取れる世界観や設定からは感じるのだけれど。

実際にゲームをするとセンセーに習うお勉強って感触が否めない。

これ、なんとかならんかなぁ。

 

もっと自力で研究して新しいものを発見・発明していく形にしたら面白いと思う。

未知の素材を見つけたら分析して成分や組成を見出す。わかった新事実を元に新しい調合を考える。そうやってレシピを自力で編み出していく過程をゲームとして表現してほしいなと。

作中だと結構そういうシーンが紙芝居の時にある*2んだけどね。ゲーム的には本を読んで真似するお勉強なんだよなぁ。

経営の要素も是非欲しい

また、アトリエもポンと建物が最初から与えられ、適当にお使いしてるとゲームが進む感じが気に入らない。アトリエの店主、って表現をしていたアーランドシリーズではほんとに気に入らなかった。

研究所なのかよろず屋商売なのかは知らないけれど。一国一城の主ならそれを保守・維持するための苦労と楽しみもゲームとして組み込んで欲しい所だ。

この辺は昔のアトリエにはあった? らしいのでノウハウもあるだろうし上手くやって欲しい所。

 

ただ、単なるお店だと首を傾げるので研究所として「研究費取ってくるの大変だぁ」みたいな感じのほうが面白そうかなぁ? モノ並べて在庫がはけました、はけません、みたいなのだけだと面倒な作業ルーチンにしかならないだろうし。

錬金術の研究が進むにつれ目に見える大変化が欲しい

錬金術ってのが劇的な変化を起こしうる超常の学問、並びに生産技術である訳で。

そのことを分かりやすくゲーム的に感じるため、錬金術の研究が進んでより高度な錬金術を運用できるようになったら、その分だけゲームワールドにも劇的な影響が欲しい所。

中世の村みたいなのから近未来なSF的大都市に発展しちゃうとか。いっその事Civよろしく開拓惑星の紀元前からスタートして錬金術の発展とともに星がどんどん文明化していくとか。あるいは逆に黄昏世界の世界観でどんどん悲惨なことになってもいいけど。*3

メルルのアトリエでの、あの開拓が進むほど発展するという感覚はあんなにチープな映像表現であってもワクワクした訳で。切り捨てないで欲しい所。

キャラゲーであるのも大事なのはわかるけど

アトリエは主人公の女の子が凄いかわいい、ってのがウリの1つってのは間違いなく。そこに全力を注いでるのは分かるのだけれど。

作りこんだキャラクタモデルを並べて人形劇の方向に走られても、それはそれで困る。人形劇を見たいワケじゃないし、その質が低かったらもう拷問にしかならない。

 

キャラメイキングの要素を組み込んだりして、サブキャラはメイキングできるようにしてみたり、可能なら主人公も現在のモデルの水準をキープしつつメイキング(カスタマイズ、位の感じでもいいけど)できるようにしたりして、プレイヤーごとに自分のゲームができあがる感じになると好ましい。

ストーリーやキャラを押し付けられると能動的な娯楽であるゲームが受動的なものに成り下がってしまう。その辺の危機意識はキープしていて欲しいところだ。

グラフィック面は頑張れ

これは国産の3Dゲーム全般に対して思ってることだが。

グラがしょぼい。何世代前のゲームだ。すごい狭いぶつ切りフィールドですぐエリアチェンジになるのもなんとかならないのか。

アトリエの場合女の子のキャラモデルのできだけ異様にいいから余計気にかかる所。

エンジンがないのかもしれないが、自力開発にこだわるのをやめるなりして頑張ってほしいなぁと思う。UE4とか使おうとしたら高いのかもしれないけどさ……

せめてぱっと見の画面の質を海外デベロッパのインディーゲーム位には持っていてほしいと切に願う。NPCが表情固定のまま棒立ちのまま並んでる街マップとかもう見たくないぞ。

 

 

 

ざっと書いてみた。読み返して自分でも言いたい放題だと思う。うん。ま、こんなこと言う奴がいるってのがやんわりデベロッパに届けばいいな、ってことで。

あと色々言ったけど。アトリエシリーズ、十分遊べるゲームだった。この先どこへ行こうとも、遊べるゲームであり続けてくれることを祈る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P.S.

本文中だと一番面白かったのはメルルのアトリエっぽい印象になってるが。

実際のアトリエ面白かったランキングは

  1. シャリーのアトリエ
  2. メルルのアトリエ
  3. エスカ&ロジーのアトリエ(2位との差は僅差)
  4. ロロナのアトリエ(延長戦部分だけ)
  5. トトリのアトリエ(4位との差は大きい)
  6. ロロナのアトリエ(本編部分)
  7. アーシャのアトリエ(6位との差は甚大。理由は後述)

なんだかんだでシャリーのアトリエが一番。理由は最終盤に調合を追い込む理由がゲーム内にあるから。例えそれが戦闘のためでも、ないよりはモチベーションになる。

メルルのアトリエはゲームを進めるのも調合が必要で、本編進行中は面白いんだほんとに。でも終盤はマキナ領域に行くことを前提にしても調合追い込む理由がない。敵が弱すぎるし、それ以外で難易度の高い調合をする理由がない。装備作ったらおしまい。

エスカ&ロジーのアトリエは面白さはシャリーのアトリエとほぼ同じ。宮殿の奥地に行くなら調合が必要だからね。

ロロナのアトリエ延長戦は1年縛りで自由に調合と探索戦闘ができるのでやっぱり楽しい。ただ、調合を追い込む理由はあんまりない。倒すだけならオーツェンカイザーでも大した敵じゃないし。竜の砂時計を作るのもあまり難しくないのが残念。

トトリのアトリエはノベルゲー要素がうざったいのと、冒険重視の割に実際に探索できるワールドは狭い3Dマップ(すぐエリアチェンジする)なせいで楽しくなかった点。世界の広さ自体は感じれたし、海の向こうの別世界っぷりは楽しめたが、世界観や設定で特にあの光景を利用できてないのでなんだかなぁ、という感触。あと、敵が弱すぎるのが。初見の一周目でギャラクシーボスが殲滅されてしまうんじゃなぁ……

ロロナのアトリエ本編は忙しないお使いゲーという印象。調合でゲームを進める、ではなく、調合を押し付けられるという感覚だった。それに実際はホムか量販店で王国課題こなすしなぁ……

ワーストはアーシャのアトリエ。ラスボスを倒すまで全く調合に集中できないありきたりなJRPG的プレイフィールはどの辺がアトリエなのかと思った。まぁラスボス倒した後ならむしろ調合するくらいしかやることないけれど、調合追い込んでも戦闘が劇的に楽になる感じもないし、やっぱりどうにも調合が楽しめなかった。潜力の移動が楽すぎたのも問題なんじゃないかな。

 

今振り返るとこんな印象。アーシャのアトリエ以外はそこそこ遊べると思う。

*1:ロロナのアトリエトトリのアトリエメルルのアトリエの3本によるアーランドシリーズと、アーシャのアトリエエスカ&ロジーのアトリエ、シャリーのアトリエの3本による黄昏シリーズの3本、計6本

*2:印象深いのはアーシャが成分分析をやってるシーンと、メルルが新しいレシピを考えてるシーン

*3:ただ、プレイヤーが頑張ったらより楽しくなるようにしたほうがいいので。発展させるほどペナルティを受ける感覚になるのはよろしくない気がするかな