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秋E4で捨て艦? ありえないだろう

巷では最近、秋E4で捨て艦の是非に関する議論が賑わってるようだが。間が抜けた喧々諤々だ、というのが正直な感想だ。

ありがちな感情論の応酬が行われるのは捨て艦が絡む時の平常運転で、個人の好き嫌いで済む話を一般化しようとして互いに押し付けあうのは不毛だから関わらないようにするのが常なのだが。

ちょっと今回は口出ししようと思う。

 

とにかく言いたいのは、見かけた意見が等しく共有していた一つの前提、それが間違っているということだ。

その前提とはなにか?

捨て艦が秋E4攻略に有効だ、という前提だ。

 

それ、間違ってるよ。

 

 

では、説明を始めよう。まずは捨て艦という作戦を定性的に評価する。

 

捨て艦とは、道中撤退率を下げるために艦隊の総火力を下げる方法だ。

艦隊に戦力として期待できない代わりに沈んでも構わない艦を混ぜるのが捨て艦という作戦だ。艦隊に混じった捨て艦の割合だけ、敵の攻撃が無視できるようになる。代わりに、艦隊に混じった捨て艦の割合だけ、艦隊の総火力が低下する。

 

 

さて。捨て艦が好きか嫌いかとかは個々人の好きにすれば良いのでどうでもよろしいが、秋E4に限っては採用するのは愚かだといえる。

なぜか?

それがこのエントリの内容だ。

 

 

まず、秋E4の困難さは2つに分けられる

  1. ボス到達の困難さ
  2. ボス撃破の困難さ

捨て艦はもちろん1への解決策だ。だが、秋E4において問題なのは1ではなく2だ。

秋E4のボス到達難易度は、E2や5-3という他の道中夜戦海域に比べて確かに高い。だがそれは要求レベルが上がったためだ。量的な変化はあったが質的な変化はない。

一方2の方はまずい。続く秋E5よりはマシだが十分な難易度である。と言うより実質的に使用可能な艦種が絞られているE4は、育てている艦種が偏っている提督の場合だとかえってE5より難しい可能性すらある。

まぁだから特に吟味もしないうちから捨て艦どうこう言い出すのだろうが……

 

秋E4のプレイレポには書いたが、秋E4はとにかくボスが硬い。HP500とかいう馬鹿げた値をもち、三式弾を装備した艦でなければまともなダメージが通らない。

そんなボスを落とさねばゲージが破壊できない訳だが、これはかなり困難だ。ではどうするか? というのが秋E4攻略の肝だったわけだ。

その結論はもちろん既にお伝えした通り、ボスに対して十分なダメージを与えることができる艦を可能な限り増やした艦隊を編成する、だった。これを守れば多少の練度(レベル)不足は試行回数でねじ伏せて攻略できるだろう。

 

秋E4のボスに対して有効打を出すのに必要なのは2つ。

  1. 高い火力値
  2. 三式弾

この2つだ。そしてネックとなるのが2の方、三式弾だ。

うちには10ほどあった三式弾だが、装備拡張を怠った提督はひとつも持っていないこともあったらしい装備である。またそれ程出にくい装備ではないが、艦これの仕様として狙った装備を即座に用意するのは難しい。

そこそこ貴重な装備といえるだろう。

少なくとも、使い捨てにはできまい。

 

仮に捨て艦を採用すると仮定しよう。

使う艦種は当然、重巡洋艦だ。出撃回数が十分な提督なら砕くほど母港にいるから、捨て艦にすること自体は容易だ。こいつに夜戦海域のセオリー通り、適当にひっぺがしてきた主砲を付け足して連撃装備にする。これでまぁ、敵を倒すことは容易な夜戦海域なら火力源足りるだろう。

 

ボス以外だったら、だが。

 

三式弾は貴重だ。そしてボスへ打撃を与えるには三式弾が必須だ。とてもじゃないが沈むのが前提の捨て艦には積めない。必然、艦隊に混じった捨て艦は等しくボスへの火力として扱えない。

結果、艦隊の総火力を全てボスに通してやっと撃破が安定するボスを落とすのが、極めて困難になるわけだ。

時間をかければゲージは削れるだろう。それはまぁ確かだ。この点だけ見れば有効な作戦だろう。かかる時間が馬鹿馬鹿しい非現実的な規模になりうることを除けばだが。

しかし、撃破は極めて困難になる。艦隊に編入された捨て艦以外の三式弾装備の艦、その攻撃が運良くボス旗艦に集まることを祈るゲームとなる。

なるほど、確かに運ゲーすぎるクソゲーだろう。ただし、そうなったのは捨て艦を採用したからだ。端的に言うと自爆だ。ご愁傷さまである。

 

聞き及ぶ範囲だと、捨て艦を利用して十数時間かけて秋E4へ挑んだ提督もいるらしいが。結果がたまたま運良く万に一つの勝利を得た場合を除き、徒労に終わるだろう。

その理由はもうお分かり頂けただろう。

それでもあなたは、秋E4で捨て艦を採用したいのだろうか?

 

捨て艦は艦隊の総火力を下げる方法だ。そして秋E4ボスは艦隊火力を最大化してなんとかまともに撃破できる硬いボスだ。

そんな場所であえて捨て艦を採用すればどうなるか。

ただでさえ固く撃破が困難なボス撃破の難易度を自分で引き上げるわけだ。

その結果は、わかりきったことだろう。

 

 

イベント海域は極めて難易度の高い海域だ。なまなかな戦力では抜けない。

そして十分な戦力を整えるのは大変だ、決して難しくはないが楽ではない。

過程を楽しめる同士ゲーマー諸氏はだからこそ楽しいと言うだろうが。

世の中にあふれる結果だけ欲しい方々はそう思わないらしい。

そんな人達の前に、簡単に高難易度海域がクリア可能となる手段があると言えば、飛びつくのもわからなくない。

だが、そうやって周りの情報に目移りする前に。

ぜひ自分の頭で考える癖をつけて欲しい。

あなたの目的は何だ? そのために想定できる手段はどれだけ存在する? そしてそれらの優劣はどうやって判定する?

 

 

 

と、ここまで偉そうに書いている自分だが。

実は、全く同じ失敗を夏E3でやっていたりする。

ネットで捨て艦を使えば比較的楽にクリア可能、などという話を見かけて真に受け。レベリングと装備開発が不足している火力不足の艦隊に捨て艦を編入して挑んでしまったのだ。

その結果がなんとか徒労に終わらなかったのはレベリングの不足度合いが致命的ではなかった、ただそれだけだ。

代わりに時間と資源が余分に失われた。

その資源と時間でレベリングをきっちり行っていれば……どうなっただろうか? 答えるまでもないだろう。

 

間違いを犯した原因はわかりきっている。

捨て艦という手法がどういう作戦なのか、自分で考え評価することを怠ったからだ。

誰かが言ったことを鵜呑みにしてそのまま実行する。全くゲーマーの風上にも置けない行動だ。迫るイベント期限と足りない資源と時間で余裕を失っていたと弁解したところで、愚かなことに変わりはない。

 

そんな訳で。

イベント期間に何とか準備を整え攻略をするべく必死になっている提督には、かつての自分のような愚かな真似をして欲しくない。

どうすればよいか、考える材料を手に入れるためにだけネットを使い。

どうするべきかは、ぜひ。

自分で考え、自分で決めて欲しい、そう願う。

 

PS.

コメントのご指摘で誤解していたことを把握しました、陳謝。

「捨て艦を使って三式弾装備の金剛型をボスへ無傷で連れて行く」戦法だと思っていたんですが、もっとクレバーなもののようですね。

なるほど。最初から送り込む艦隊の能力には期待せず、昼に入ることを前提に支援で削るですか。

結局とどめを刺さなきゃならないから削ったあとが大変そうだとは思いますが、戦力になる重巡航巡金剛型が皆無なら選択肢にはのると。

その場合はトドメは育った航空戦艦か長門陸奥大和1隻に三式弾装備させて、他を自分が勘違いした方の意味での捨て感で埋めるってところでしょうかねぇ。

削りの間じゅう低速戦艦を送り出すとさすがに資源がいくらあっても足りないでしょうし、この方法なら1隻だけ育ってれば可能性は生まれますね。

なるほど。

いやしかし、きちんともとの話を探さないで聞きかじりの話にさらに乗っかるのはろくな事になりませんね。醜態を晒すついでに昔の醜態まで掘り起こしてしまった……

いや、お恥ずかしい限り。

 

PS2.

ということはこれ、秋E4に限らず秋E5や5-3、あとは今更ですが夏イベント海域でも使えた、かなり汎用性の高い作戦ですね。最後にトドメさしうる戦力をボスまで連れて行く方法があるなら、という条件はつきますが。

実にゲームの仕様をついたクレバーな手だと思います。少なくとも「確殺は不可能だが十分倒しうる艦隊」の持ち主には有用でしょう。

ただこれどんな海域でも支援さえ使えるならこれだけでいいという、ゲーム側のバリエーションをプレイヤーが無視できる手なのが気になりますね。

選択肢が消えるとゲームはただの作業になって寿命を縮めてしまうので。

んー。

 

PS3.

ただ時間がかかるせいで一度やると二度とやりたくなるから大丈夫かな。

夏のあと自分が執拗に艦隊を強化したのも「もう二度と潜水艦隊漸減作戦はしたくない」と思ったからですし。しんどかった……